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お口の中の細菌(微生物)と肺炎の深い関係

実は「口」や「のど」は非常にややこしい構造をしている

鼻、口やのどを横から見たところ ~食物と呼吸はクロスしている~

のどを後ろから見たところ ~食物は気管の周りを通って飲み込まれていく~

口、鼻、のどは呼吸と食物摂取の入り口であり非常に重要な部位です。ただ人類の進化と共に発声、言語によるコミュニケーションを獲得することで、呼吸と食物などの摂取(嚥下)において、大きなリスクを負うことになりました。図のように進化と共に発声をするために気管入口部の位置が相対的に下がり、呼吸と嚥下のルートが複雑にクロスすることになりました。そのため赤ちゃんは嚥下をしながら鼻から呼吸をすることができますが、それ以降は呼吸と嚥下は同時にできない構造になりました。このように非常に複雑、デリケートな動きをこの部位は行っており、少しでもトラブルがあると、大きな問題をひきおこします。

誤嚥性肺炎

日本人の死亡原因の多くを占める肺炎の中でも、特にご高齢者に多い誤嚥性肺炎は、図のように唾液や飲み物、食べ物が誤って気管から肺に入り込んでしまう誤嚥の際に口腔内の細菌が肺に入ってしまうことで起きます。健康な状態を保っていると、上記のように呼吸と嚥下はうまくバランスをとって、問題を起こすことは少ないですが、ご高齢になったり、体がご不自由でうまくお口のセルフケアができない場合には、この誤嚥性肺炎を起こすことは少なくありません。また唾液の分泌が減少し、お口の乾きが強くなるとこの誤嚥のリスクは非常に高まります。

誤嚥性肺炎を防ぐには歯や歯周病のケアが必要であることは言うまでもありません。またしっかり咀嚼して食物の形態を飲み込みやすくすること、および咀嚼することにより唾液の分泌を増加させることが重要です。しかし別のページに示すようにいろいろな原因で抵抗力などが減少すると、お口の中の細菌(微生物)は急増することがわかってきました。

そのためこれからの誤嚥性肺炎の予防、改善には、従来のようなワンパターンの歯や歯周病のケアだけではなく、皆さんのお体の状況、環境に応じた「歯、義歯、舌などの粘膜を含めたお口全体のオーダーメイドのケアプラン」が最も重要です。

 

 

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